高齢期の住まい

 高齢になっても元気でずっとマイホームで暮らせたら幸せですが、先々のことを考え、今からより安心できる住環境を求めて「住み替え」を考える人は少なくありません。しかし、高齢者のための住まいはいろいろあり、その中から自分に適した住まいを見極めるのなかなか困難なことです。

 今、急増しているのは、国から補助金が出ることから「サービス付き高齢者向け住宅」で、現在20万戸を超えています。しかし、入居者の要介護度が重くなったり、認知症になったりすると対応してくれません。その点では、介護付き有料老人ホームは手厚い職員体制で入居者のニーズに即したサービスを受けることができます。その分費用が割高になるのは否めません。

 そんな中で、「こうした住まいがあれば便利ではないか」という企業の発想から生まれた、制度の「すき間」に位置する高齢者専用の賃貸住宅(企業が運営する)もあります。必要があれば医療機関やケアマネージャー、行政などにつなげる機能を持っています。

 いずれにしても、住まいを選ぶときに考えるべきことは、「各住まいの特徴を知ること」「ご本人の希望、条件を明確にすること」「体験宿泊等で雰囲気を確認すること」「退去する条件を事前に確認すること」等です。

 しかし、これらのことを高齢者の方だけでやり抜くのは大変なことです。我々、福祉住環境コーディネーターをどうぞ使っていただきたいと思います。